こんにちは。落合です。
最近カラっと晴れる日が少ないですね。
三宅理一氏が2009年に学芸出版社から出版した「負の資産で街がよみがえる」という本を参考文献として読みました。
それのことを主観的ですが書きたいと思います。

近年はアートプログラムを介した木造密集市街地の改善などに関わり、そのこと含めたプログラムによる地域戦略について書かれた本がこの本です。
東京の木造密集市街地の京島で実施された「アーティスト・イン・空き家」では法律による借地と借家の諸問題に対し、外国のアーティストをある期間受け入れるプログラムで解決しながら、地域活性を実現しました。
アーティスト・イン・空き家 作品 出典:10+1
横浜市鶴見区では外国人と日本人のコミュニケーションの渇望に対し、空き店舗に「鶴見スタジオ」というシンクタンクのスペースを作り、子供向けワークショップなどを仕掛け、コミュニティの形成に繋がりました。
ほかには廃校となった秋葉原の中学校の教室で試用的に「D-秋葉原テンポラリー」という仮設ミュージアムをオープンさせました。そこでは制作主体や会場設営などが毎回かわる建築やプロダクト製品の展示会をしたり、海外からのゲストとしてデザイナーを呼び、ワークショップを開催し、秋葉原の可能性を広げました。このデータや教訓から、千代田区の後押しによって秋葉原タウンマネジメント会社の設立のきっかけになり、新たなまちづくりの段階に入りました。
私は、これらの「空き家」「外国人の増加」「廃校」など負といわれている資産に対し的確な、または実験的にクリエイティブなプログラムを組み込んでいくことで、一時的ではなく持続的な地域再生とまちづくりの新たな方向性と場所の可能性を見いだしてきたのが三宅理一氏だと思います。
負として認識されていたものだからこそ、正の資産として逆転されたときに魅力が生まれる。負としての認識が大きければ大きい程、より魅力的な場所になるのではないでしょうか?
もちろんそれを転換させるプログラムは何でも良いわけではなく、場所性を読み取りそこにあったプログラムと思われるものを入れる。そこの何が魅力になり得て、どうやってそれを提示し、無理なくそこでまちづくりを継続させることが出来るのかを考えることが重要だと思います。
例えば去年開催されていた瀬戸内芸術祭は、島々ということでインフラ面が不便でしたが、それが島の生活という認識を来場者に持たせ、待ち時間を逆手にとって島の時間の流れを味わいつつ観光してもらうことに繋がっていたと思います。私も行きましたが、フェリーの待ち時間でだいぶ楽しませてもらいました。
小豆島の夕日
今まで一回も行ったことがない島々をゆっくり歩きまわることで、自分なりの島の魅力に気付き、記憶に残る。全員じゃないにしろ、また来たいと思ってくれた人がいたのならいつか思い出して足を運ぶんじゃないだろうか?少なくとも自分はまた行きたいと思っています。
そういう記憶に残ることが持続的な場所のつくりかたなのではないでしょうか?
跡地と記憶の関係はかなり強い。それを読み取り、ソフトでもハードでもいいからどうやって新たに記憶に残る場所がつくれるのか。
この本を読んでそういう視点での提案も忘れてはいけないなと考えました。
ではでは。
更新してよ!!!!!
返信削除だーますさん
返信削除続きはポートフォリオで!ってだめですか?